愛着障害のカウンセリングを受けて二年が経ちました。お蔭さまで周囲の人に恵まれて安全基地を少しずつ「何重」にもつくり、サークルでは“親友”も出来ました。ファンタジーを完全に壊す事が出来てるかは知りませんが、あの幼少期からの生存への恐怖と人間世界への異物感はもう感じていません。
自分ではこれからカウンセリングに通いつつ、自分自身の育て直しをしたいのですが留意する事はありますか?
先生の書かれた記事の内関係しそうなものは全て読みましたが、理解不足なのか読み落としがあるのか、ファンタジー崩壊後の「たましい」の成長のための具体的な事柄は分からないでいます。
ラジオも楽しく拝聴しています。お忙しい日々の中、寒い日が続きますのでご自愛ください。失礼します。
愛着障害のカウンセリングの目的は次の2つです。
- ➊(母)親へのファンタジーの崩壊を見届けること
- ➋安全基地を拡充させていくこと
➊はカウンセリングを通してしか起こらないと言えるかもしれません。「幼少期からの生存への恐怖と人間世界への異物感はもう感じていません。」とあるように、ファンタジーは崩壊したのでしょう。その廃墟から新しいあなたの国が立国されているいる途中なのでしょう。良かったですね☺
そして➋安全基地。「周囲の人に恵まれて安全基地を少しずつ「何重」にもつくり、サークルでは“親友”も出来ました。」とあるように、それも順調に進んでいるようです。
この安全基地の構築は死ぬまで続きます。
■安全が脅かされたら
途中、安全を脅かされることも起きるかもしれません。それをPTSDと言います。不条理な出来事は、いつどこで降ってくるか予測がつきません。安全地帯に亀裂が入ることもあるでしょう。それは自然の成り行きですので、仕方がありません。
しかし、その亀裂はそのうち埋まります。修復します。安全基地がすべて焦土化することはありません。深い亀裂のみです。そして亀裂は必ず修復します。なぜならPTSDは必ず治るからです。そうやってあなたの安全基地を拡充していってください。
■育て直しとは昔(HOME) に戻ること
自分の育て直しが必要なら、安全基地の拡充の中で、必然的に自然のうちに起こります。あるがまま、自然体で日常をお過ごしください。それによってあなたは自分が育て直ったことに気がつくでしょう。
育て直しは、昔の自分と違う自分になるわけではありません。昔の自分に戻っていく作業です。その作業は懐かしいものです。かつてのふるさとへ帰る。Take me HOME, Country Road.
母親の羊水の中まで、あるいはそのもっと昔までさかのぼっていくかもしれません。その源流はどこでしょう。それは人によって違いますが、あなたにとって「なつかしい想い」を感じる場所が、その源流です。
- 真新しいのに懐かしい。そこがあなたの国です。
どうぞ、新しい友だちとの関係性の中に明滅する「なつかしさ」をたっぷりと味わってくださいね。それによって安全は拡充していくでしょう。どんなPTSDがやってきても無事に復帰することができるでしょう。
まだまだ寒い日が続きます。あなたもご自愛なさってください。
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