虐待環境で育つ児童(愛着障害児)はイヤイヤ期はあるのでしょうか?
先生のnoteで、0-1歳は母と一体であり、そこから肉体的に自立しようとするのがイヤイヤ期と読んだ覚えがあります。愛着が切れている愛着障害児の場合、親との一体感もなく、イヤイヤ期もないのかと思ったのですがどうでしょうか?
愛着形成とイヤイヤ期の関係は、とても重要な問題です。
ちょうど12月30日のラジオで紹介した高橋和巳先生の新著「親は選べないが人生は選べる」にその回答があります。本文の第2章にある見出しを紹介しておきます。
・愛着形成ができたらイヤイヤ期が発動する
・虐待されている子にはイヤイヤ期がない
あなたの質問ズバリの回答ですね。本文を少し紹介しておきます。
子どもがイヤイヤ期になって親に反抗できるのは、それまでの期間に親子の愛着関係がしっかりと出来上がっていたからです。(中略)その頃、子は「親に反抗しても見捨てられない」と確信しています。これがあってこそ、子は一番大切な親に反抗できるのです。
そしてイヤイヤ期の長さについては、
・共感豊かな母親の場合、子のイヤイヤ期は短い
安心感の大きな母親のしつけは厳しくないので、そのようなに育てられた子どもの安心感も大きいので、反抗も少なくなります。母親のガマンが大きいと自分に厳しくなり、子育ても厳しくなります。甘えてくる子どもを許せなくなるからです。
■虐待とイヤイヤ期
また虐待されている子(愛着障害の子)は、親へ反抗したらひどい目にあわされると分かっているので、イヤイヤという自己主張をしません。したとしてもすぐに引っ込めてしまいます。2歳にならないうちに、そういうことが分かっているのです。
ですからイヤイヤ期の激しい子どもなら、その母子関係において愛着形成はできている、ということになります。不完全な愛着かもしれませんが、愛着はあることになります。これが愛着不全と愛着障害の違いです。
詳しくは紹介した本をご覧ください。
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noteにも記事化しました。質問箱の回答に対してプラスアルファを加えています。よければお読みください。
ご回答ありがとうございました。早速、本を注文させていただきました。
愛着障害だと、イヤイヤ期も思春期の反抗期もなく、
愛着不全だと、イヤイヤ期はあるけど(愛着は形成されている)、反抗期がないことが多いんですかね。
本も読んで理解を深めてみます。ありがとうございました。今年もよろしくお願い致します。