こんにちは。以前Twitterの質問箱の方でご回答頂いたことがあるものです。こちらの方も拝読させて頂いております。年の瀬ですがこちらでも質問を失礼します。ご回答はいつでも結構です。よろしくお願い致します。以下の3タイプの親子関係が自分の中でごっちゃになっています。
①愛着障害の原因になる情緒的ネグレクトの親子関係
②愛着不全の原因となる遊離家族の親子関係
③自身が愛着障害のため子を厳しく育てる親子関係
例えば小さい頃から人に頼らず自分で判断して自分で責任をとる(とってるように見える)ような傾向がある人の親子関係に上記の3タイプが浮かびます。
親子三代のジェノグラムやきょうだいの様子や、かりそめの思春期なども加味しないと判断は難しいとのことは承知の上、親と子の二代の関係から、上記3タイプの親(と子)の特徴の違いをご説明頂くことは可能でしょうか?たとえば、
①情緒的ネグレクトの場合、子は親に育てられた感覚がない。世話をされたとは思ってるが何かを教えられた感覚がなく余裕なく手探りで生きてきた感覚である。
②遊離家族の場合、ドライで親子間の距離は遠いようだが、愛着はあるため親に育てられた感覚はある。しかし親の都合を押し付けられきて自分を抑圧して生きてきた感覚がある。
③愛着障害の親とその子の場合、子は心の底では親に存在を尊重されて育てられて来た感覚がある。だから思春期時は厳しい育て方に反発し激しくぶつかったり、または親の厳しい人生を認め早めに大人になり親から受け継いだ厳しい生き方を継承していく(宇多田ヒカルみたいに)
ご添削いただけたら幸いです。
これらの質問を理解するには、ある程度の臨床経験を必要としますので、専門家向けの回答になります。
①情緒的ネグレクトは虐待関係であり、親からの愛着信号がない状態。子どもは被虐児であり、他の誰かからの愛着信号を頼りに生きてきた。ただ、情緒的ネグレクトの場合、親との関係は良好であると思って生きている人は多い。
ですから質問者さんの「何かを教えられた感覚がない」わけではありません。「手探りで」というほどせっぱ詰まっている感じもないでしょう。しかし「余裕がない」状態は経験しています。
それでは普通と同じじゃないか、という疑問も浮かびそうです。そうなんです、情緒的ネグレクトは一見すると普通に見えるので、親子関係だけで断定するとミスリードしてしまう可能性が高いのです。広範囲の人間関係を把握して見立てるようにしたほうがいいでしょう。
親子だけの関係から情緒的ネグレクトを指摘できる人もいるかもしれませんが、私にはそれはとてもリスクのある見立てのように感じています。
親にとっても子にとっても虐待は、とてもナイーブな問題なのでカウンセラーが色々と悩んで見立てを作っていく姿勢が必要、というのが私の方法です。
虐待でもないのに虐待と誤診してしまって親を追い込んでしまうことも少なくありません。これは親にとっても子にとっても不幸な結果になります。そうなった場合、カウンセラーは責任を取れないと思います。修正するのも難しい関係性に立たされるでしょう。ならば、その道は歩かないことです。熟練のカウンセラーほど臆病な見立てをします。
さらに虐待であっても、すぐに介入しないことも子どもを守るためには必要な行動です。虐待の見立てが決定しても様子見をして、親を刺激しないよう子どもの環境を整えてあげるケースワークも虐待カウンセラーにとっては大切なスキルと言えるでしょう。
②遊離(ゆうり)家族も纏綿(てんめん)家族も子どもは、愛着信号の中を生きてきました。
ただ親からの愛着信号は親の都合である場合が多く、その幼稚な愛着によって、子どもは子どもを生きられなくなり、親の気持ちを優先させる大人のようなふるまいをする子どもになってしまいました。愛着不全の家族ですね。
③被虐の親とその子どもとの関係は、愛着のある関係性です。ただ被虐の場合は、かなり厳しめの育児になります。これは質問者さんの意見の通りです。
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