こんにちは。30代未婚。同棲相手ありです。春からnote経由で色々読ませて頂いております。宜しくお願い致します。
質問なのですが、長く付き合ってる恋人同士や夫婦間での会話って一般的にはどんな感じなのでしょうか?
今まであまり考えたこと無かったのですが、コロナを機に在宅ワークに移行して人付き合いも何となくリセットされほぼ無くなりました。それで会話と言えば同棲中の彼とくらいなのですが、会話らしい会話にはあまりなりません。
私からすると、彼は自由に好きに話してくるのに、私が自由に話すのは嫌なようです。すぐウザがります。それを一度伝えたら10倍返しというか「こっちのセリフ!お前の話は長い!同じことを何度も何度も言ってくる!」と言われて、それは自覚が無かったので「そうだったのか…」と考えるようにしました。
それから一年くらい彼と自分の会話の分量や聴き方の様子をみてたのですが、確かに私の話は冗長な傾向があるのですが、意識的に短くしても彼はやはり私には基本話して欲しくないようです。私が具合が悪かったりしてしゃべれない時など「今日は大人しくてかわいい」と言われます(笑)私は寡黙じゃないので彼に合わせてると時々、内心憤慨することがあります。でも昔のように気の合う人達と交友したり新しい恋人を見つける元気はなく一人になる強さもありません。それに彼のような素直過ぎるタイプだからこそ私は付き合えてる気もしています。人のことはお構いなし、が楽というか…
だから仕方ないとは思うのですが…質問させて下さい『夫婦や恋人間での会話は、友人間のようには対等にいかないのが、当たり前なのでしょうか?』
夫婦の会話と恋人の会話は違うと思いますので、分けて解説します。長くなりますが、まず典型的な夫婦の会話の変遷についてお話しましょう。
■夫婦の会話の変化
多くの「普通の」夫婦の会話は長い年月をかけて変化します。熟成していくいいますか…。
たとえば30代で結婚したとしたら、当初は恋人の延長です。ラブラブな時期が数年は続くでしょう。仲が良いわけです。その後、4年くらいしたら変化が現れます。お互いに飽きるというか、ラブラブ熱が冷めてきます。
この「4年」という数字は、信ぴょう性があります。多くのカップルカウンセラーが経験から導きだした数字です。たしか河合隼雄先生もこの数字を出していたように記憶しています。(村上春樹との対談を本にしたものだったか)
【4年目の危機】ですね。臨床現場で話を聴いていると、4~5年目に忍び寄る危機は確かにあるようです。そしてこの危機が長いのです。
この時期を越えていくと、ラブラブだけだった関係性からカップルの関係性に変わるといいます。ようやく夫婦関係になったということです。一つ目の熟成期間に入ります。それが40代の始まりの頃でしょうか。
この熟成期間は10年ほど要すかもしれません。ちょうど中年期危機に突入しているので、自分のアイデンティティの再編期と夫婦関係の再編期が重なるわけです。けっこうダイナミックに日常が過ぎて行きます。子どもも思春期を迎えつつ、カップルの関係性だけに気を配ることからはどんどん遠ざかっていきます。
どんどん遠ざかりながら、少しづつ近づいている感じです。地球を反対側から回っているようなことを想像してください。例えば、東京から大阪へ行くとき、ハワイーカリフォルニアースペインーエジプトーインドー台湾を経由して行くようなものです。大阪からどんどん遠ざかっているようで、少しづつ近づいていたことを発見するでしょう。
50代になると異性というよりも、お互いの人生について人間としてみるようになります。異性愛は残り続けますが、人間愛が大きくなっていきます。ここまでシフトするには時間がかかるということでしょう。そして穏やかな60代を迎えていきます。これがひとつの典型的なお話、「黄金のルート」といえるものでしょう。
夫婦の会話はこうやって変化していきます。これが夫婦というライフサイクルです。
■恋人の会話の変化
夫婦にくらべて恋人というのは付き合っている時間も短いですので、上のような変化を考えることはできません。恋人のライフサイクルは夫婦のそれとは違うのです。
熟成というよりも、短期の情熱の変化、アップ・ダウンが激しい状況でしょう。カップルという関係性になってからまだ年数を経ていないので、どうしても自分のことに目がいきがちになります。
意気投合して数か月くらいは自分の気持ちをガマンさせていても、いづれガマンの皮は剥がれ落ちます。そこが恋人間での喧嘩の始まりになります。
喧嘩するのはいいのです。お互いに自分の気持ちがちゃんと言えているから。これができないと短い恋で終わるでしょう。
質問者さんは彼との関係が長そうですね。じっくりと観察されているようで。また彼の素直過ぎるところなども高評価されています。色々あるけれど、関係は結構、良好なのではないでしょうか。
■会話は対等になっていく
結局のところカップルの会話は、夫婦でも恋人でも長い年月をかけて対等になっていく、人間愛になっていくといえるでしょう。
しかしこれは典型的な、愛着に問題のない人々の例です。愛着問題をひきずっているカップルは、ケースバイケースになりますので、そのへんを書き出すと1冊の本ができあがります。どなたか良いカウンセラーを探して相談してください。
ただこの典型例を知っていれば、自分で色々と考える基準にはなると思いますので、そんなお話をさせていただきました。
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お返事ありがとうございました!苛立ちに任せてビールをかっこんだほろ酔いでROM専で満足してた質問箱に犬も食わない愚痴を失礼いたしました…。おっしゃる通り関係は良好です(笑)私の瞬間湯沸かし器はすぐに冷めていつも通りの平和な関係に戻ります。彼にぶつけるまでもなく。
夫婦関係の熟成していく変遷の深いお話をなんとも言えない眩しい気持ちで拝読しました。私達お子ちゃまカップルには遥か高みの関係性に思えて。でも文末でお伝えして下さったように健全で理想的な関係を知れて、またギクシャクした時には自分で色々考える時のよるべができました。