お世話になっております。
「家族に対して冷たい態度をとる人は、結婚後あなたにも優しくなくなる可能性があるからやめた方がいい。」のような表現をよく見かけます。
これは愛着が形成されていてかつ愛情深い家庭で育ってきた人から出た意見であり、愛着が形成されなかった場合や不完全な愛着が及ぼす被害を知らないためにこのような考えになるのではないかと思いました。
先生が虐待は連鎖しないとおっしゃっているように、家族への態度と伴侶への態度はイコールにならないと思っているのですが、先生のご意見を伺いたいです。
多くの人は安定型の愛着スタイルですので、その原家族(独立するまでに育った家族)も安定していることが多いです。そのため、
- 原家族の中で安定しているから、冷たい態度はとらない。あるいは、
- 原家族の中で安定しているから、冷たくはなることがあってもしばらくしたら元の安定関係へ戻る。
この公式の中で生きています。原家族の間では冷たい態度をとらないのが常識の世界なんですね。これが安全基地の中で生きている証拠です。ごれが、「他人にも冷たい態度をとらない」まで波及していきます。
「家族に対して冷たい態度をとる人は、結婚後あなたにも優しくなくなる可能性があるからやめた方がいい」と言う人は、質問者さんの指摘するように、安定型の愛着スタイルを持った人々なのでしょう。
不安定型の愛着スタイルをとる人は、
- ➊原家族に従属的にしたがう
- ➋原家族に激しい怒りを向ける
- ➌原家族からできるだけ切れようとする
- ➍他人とも遠い関係の中で生きる
いろいろと不安定な行動をとります。
ですから「不安定型の愛着スタイルの人と一緒になると大変だよ」という忠告が出てくるのでしょう。
ただ安定型の人は、相手がどのような人であっても関係性を作ることに躊躇しません。なぜなら人間関係を信頼しているからです。
原家族との関係性が悪いからパートナーとの関係性もぎくしゃくする
不安定型の人は人間に対する不安定な構え(➊~➍)を生育上もっています。これがパートナーとの関係を形作る素になります。しかし、パートナーは原家族とは違って安定している人なんだと分かると、パートナーとの関係の中で安心感を覚えるようになって、これまでとは違う、安定した構えを生きるようになる自分に出会うでしょう。
パートナーとの関係は本当にさまざまですね。別れたほうがいいと思う関係性もあれば、もう少し関係を作ったほうがいいと思うカップルもいます。
長い人生です。振り返ったときに懐かしく思い返すことのできる時間を積み上げていただきたい、それが私の切なる願いです。
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