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ソレア心理カウンセリングセンター

2020.09.30 |こころカフェ(最新の心理学)

【安全!】転職が多い愛着障害、発達障害、普通の人の職業の選び方



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臨床心理士の高間です。
この記事は、毎日を健康に生きるエッセンスをお伝えします。





・仕事でみんなから認められると、もう去らないといけないと思ってしまう。
・発達障害を持っているが、仕事がつまらないので転職したい。
・自分のキャリアアップのために転職したい。





そんな疑問を持って生きているあなたに、何かのヒントになればと思い、記事にしました。転職について、愛着障害、発達障害、普通の人の場合を見ていきます。この記事のポイントは、





  • 愛着の問題があるために、輪の中心部には入れない人がいる
  • 発達障害の人は、仕事の内容よりも、仕事環境の方が重要
  • 普通の人にとっての転職は、キャリアアップ以外の素質を伸ばすことを視野に入れることもある




■流れ者の生き方





職場を転々とする人の中には、その職場が続かずに辞める人もいますが、今回の話は、自分から職場を去る人の話限定です。次のようなツイートをしています。










【職場を転々とする人】は自分を新人という位置に置いておくことが心地よいのです。古株になると親密度が増すために、そこを回避するために転職する。執着することが得意ではないので、そうやって【流れ者】になって人生を流れていきます。それもその人の生き方で、OKです。






なぜ転職を繰り返すのか?それは親しくなると居心地が悪くなるからです。背景には心理的な要因があります。おそらく愛着障害。





自分が流れ者だと知っている人は、その集団に属したとしても、その中に入っていくことはしません。端(はじ)っこで集団と集団の外をいつも観ています。





すみっコぐらし(*1)というキャラクターがいますね。すみっこが落ち着く、もふもふキャラです。「すみっコぐらし」の人は、集団の方をすみっこで意識しています。そして集団から離れることもないでしょう。





しかし、流れ者は集団だけでなく、集団の外も観ています。そして集団から離れる機会を見計らっています。これが両者の違いです。





流れ者が集団から離れるとき、それは集団が彼を受け入れようとしたときです。そのとき、彼はもうその集団に属していることはできない(耐えられない)と判断します。





まるで西部劇の主人公のようです。用は終わった、だからこの土地を去る。1953年のアメリカ合衆国の西部劇映画「シェーン」のラストシーン。悪党を一掃したシェーンは、その地に残ることを乞(こ)われますが、いつか疎(うと)まれることも知っていて、その地を去ります。彼はずっと流れて歩いていく運命なのです。





この流れ者感覚が愛着障害の人々にはあります。現代の彼らは、職を渡り歩く。これは流れ者にとっては、幼少期から背負ってきた運命だから仕方ない。





彼らが家族を持って定着することはあるのでしょうか?それが結構あるのです。しかし家族を持っても、どこかひとりの感覚があります。子どもはそんな親に、冷たさも感じるでしょう。冷たいところもあるけれど、こころの底のほうでは、子どものために命を落とすことも厭(いと)わない。そのことは、子どもも十分承知しているから、彼らの言動を受け入れる。そんな親子関係です。悪くはないです。心理的な衝突が起きる場合はありますが、悪くはない。愛着による普通の親子関係は形成できるのです。






だから、なんとかなる。

だから、流れ者でよい。






■発達障害者は、仕事内容よりも仕事環境が大切





流れ者ではありませんが、発達障害者の転職問題というものも、最近は注目されることが多いですね。それは大人の発達障害が注目されるようになって、発達障害者も自立を求められているからです。次のようなツイートをしています。






発達の問題がある人が仕事を辞めたくなったとき、自分が働いている職場環境をもう一度振り返ってみるのもいいですよ。あなたの言動を個性として見てくれているような職場なら、ストレスは少ないはず。そこでもう少し長く居られないか?そういう工夫をしてみようと思うことは悪いことではないはず。






発達に問題のある人にとっては、何をするか?よりも、【どんな環境か】が一番重要になってきます。ですから、現在の環境と、新しく入る環境を十分に比較検討する機会を設けることが必要です。





それらをチェックするときは、必ず支援者の人々と一緒になってチェックしていきましょう。俯瞰できる人の視点がないと、環境を評価できません。発達障害者自身には、俯瞰する能力が足らない場合が少なくありません。必ず支援者と一緒に。





支援者は、【彼らがうまくいっていたときの状況を彼らの特性に合わせて観ていく】ことです。例えば、ADHDの傾向をもつ人の場合、【動いているときに充実感を感じる】ことが多い(*2) ので、その動きを止める方向で転職を考えると、増悪してしまうかもしれません。





そのため転職は、【適度に動く充実感を大切にしつつ、動きを減速させていく】ような方向性をもった転職プランを作成することも必要でしょう。言葉でいうのは簡単ですが、実際のプランをどう組んでいくのかは困難を極めます。例えば、【階をまたぐ書類の移動→同じフロアの書類の移動→書類の整理】などのように、動く仕事を選択しつつ、その動く距離をだんだんと短くしていくようにプランします。





ただ、念頭に置いていただきたいのは、【どのように環境をセットしていくか】ということです。仕事の内容も大切ですが環境第一です。それによって、【二次障害】の発生を防ぐことができるからです。





現職の環境が少し変わるだけで、スムーズに運ぶこともあります。それらを具体的に示すことです。転職と考えだすと、なかなかそれ以外の思考ができないのですが、根気よく話を続ければ、転職でなく継続で、ということもあるのです。





■転職前に立ち止まるとき





これまで見てきた人々は、愛着障害や発達障害などの、ある意味特別な人たちともいえます。ここでは、もっと一般的な視点で、転職について考えましょう。下記のようなツイートをしています。






いつも中途半端な感じでモノゴトをやり過ごしてきた人が転職を考えるとき、すぐに転職サイトに登録するのではなく、その仕事でやってきたことを振り返って整理してから行動に移すのがいいですよ。その仕事は自分にとってどうだったかを、頭を使ってエッセンスを絞り出す感じです。ウンウン唸ってください。






なぜ、転職のとき、現在やってきた自分の仕事を振り返るのか?それは、「その仕事で、どんな能力を身につけることができたか」を俯瞰するためです。仕事をやる価値は、ここに集約されるからです。身につけたものがまだ現職で深堀りできそうなら、転職をちょっと待つのもいいかもしれません。





例えば、エンジニアだった人は、ダイレクトに仕事に直結するエンジニアリングスキルは、普通にアップするでしょう。しかし、そればかりではなく、その仕事を通して、





  • マーケティング的な思考ができるようになった
  • 近視眼的な思考だったのが、長期的な視点で考えられるようになった
  • 営業の人との付き合い方が少し分かった




そんな能力を身につけられたと分かれば、それをもう少し現職で伸ばそうとか、もうちょっとマーケティング寄りにやると面白そうだから、そっち方面の転職を考えようとか、そんなふうに考える幅が広がります。





何をしたいか、何ができるか、ではなく、【現職で学んだ何を伸ばすと面白そうか】にフォーカスするといいでしょう。それには、現職で何を吸収してきたのか、それを振り返ることです。時間をかけて紙に書き出してみてください。





■まとめ





転職することについて、愛着障害、発達障害、普通の人の場合を概観しました。





  • 流れ者(愛着障害の人)は、親密度がアップするときに職場を去る。それは仕方のないこと。
  • 発達障害の人は、彼らの働く環境を第一に考えて転職を考えること。彼らの特性を考えることのできる支援者とともに考えること。
  • 普通の人は、現職によって自分の何が成長したかを言語化してみること。そしてそれをどう継続させていくかを考える。その先に転職がある。




仕事を変えるとき、人によっては選択のやり方や、何を基準にすればいいのかが変わってきます。あなたが最適な仕事につけますよう、祈っています。





Reference:





(1) すみっコぐらし: https://www.san-x.co.jp/sumikko/profile/
(2) 青木省三・村上伸治: 大人の発達障害を診るということ, 医学書院, 2015





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