人生で二度子どもになる認知症という不思議な病【蒼井優の長いお別れ】

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認知症は大きく4つにタイプが分かれますが、物忘れ症状については、前頭側頭型認知症以外では広く見られる症状です。忘れがひどくなって、だんだんと子どものようになっていく。そして寿命が尽きる。その大きな人生の流れのようなものを表現した言葉に「二度童」(にどわらべ)という言葉があります。

蒼井優の長いお別れ

長いお別れは認知症を扱った2019年の邦画です。キャストには蒼井優や山崎努など。ゆっくりと記憶を失っていく父との10年間を描いた家族愛の物語です。中島京子の小説で本人の体験が素になっているようです。

父の患った認知症はアルツハイマー型認知症でした。

認知症は大きく分けて、4つに分けられています。

(1)アルツハイマー型 (物忘れ)
(2)血管性 (損傷を受けた脳の部位によって生じる「まだら認知症」)
(3)レビー正体型 (物忘れ、幻視、パーキンソン、運動障害)
(4)前頭側頭型(ピック病) 無気力、脱抑制、共感のなさ、常同行為、言語障害

これとは別に治る認知症というものもあって、電解質異常、ビタミンB1欠乏、甲状腺機能低下、梅毒、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症などが治ります。

認知症の二度童

中国語で、人は一生のうちで二度子どもになるという意味です。これは認知症の本質を表現した良い言葉です。子どもが成長して大人になって、そして死期が近づいてきたら認知症になって子ども返りをする。子どもを2度体験しているという表現です。

ある人が言います。母親が認知症になって幼児っぽくなりました。昔はもう少し固かったのです。バカなことなど一切やらなかった母ですが、今はタガが外れたみたいに、歌に合わせて踊ったり歌ったりしていて。記憶は落ちていきますが、何か幸せそうなんです。良かったなと思います。

この話は、二度童についての本質を表現しているでしょう。

子どものときは自由にやっています。音楽に合わせて踊ったり歌ったりしている、つまりわらしを生きています。これを大人がやると変な人になります。子どもから思春期に入ってくると自由にはやらなくなります。大人になっても、自分の子どもには細い目で見ていますが、自分から率先してはやらないでしょう。しかし、老後になって認知症になると、あの子ども時代が戻ってくるのです。

あの黄金のわらしになるのです。

二度童-認知症の良さを表現した中国語。とてもやさしい言葉だと思いませんか。

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