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ソレア心理カウンセリングセンター

2019.10.26 |こころカフェ

愛着パターンは世代間連鎖するか?★4つの愛着パターン 世代間連鎖 さいたま






愛着パターンは世代間連鎖をするのか、という話です。結果を言うと、安定型だけ世代間連鎖をして、それ以外は連鎖しないということです。ここから導きだせるのは、愛着問題は世代間連鎖をしないということ、つまり虐待家庭で育ったとしても、子どもは自分の子どもを虐待しないという、しごく当たり前の結果が導き出されます。





これは当たり前なのですが、当たり前のようになっていないところが問題であって、虐待は世代間連鎖するという言い伝えは、早く都市伝説になればいいと思います。





まず成人(親)の愛着スタイルを考えてみます。次の4つに分類されています。(George & Solomon, 1996)





Ds(愛着軽視型):距離を保って子どもを保護する親です。育児に抑うつ感があり、子どもの愛着欲求を回避する傾向にあるが、育児は放棄しない。拒絶型とも言う。親の見立ては正常知能。
F(安定自立型):子どもと自分の関係について肯定的で、子の安全を常に確保しようとする。安全基地、柔軟型とも言う。親の見立ては正常知能、成人期。
E(とらわれ型):行動的だが子どもや自分について明確に把握できず、子どもの行動の理由が分からず困惑する。限られた保護しかできず、危険を認知できない。不確実型とも言う。親の見立ては境界知能。
U(未解決型):子どもを保護できない。無気力で子どもを放棄するか、怯えさせる行動をとる。子育てはムリという感覚を持っている。親による虐待が生じている。無気力・無能型ともいう。親の見立ては軽度知的能力障害。





上の4つに対応して、子どもの愛着反応を示したのが次の4つです。これらはほぼ7割ほどの一致率が確認されています。(Fonagy et al, 1991多数)





A(回避型):子どもは愛着信号を最小化して母子の距離を維持する。
B(安定型):子どもは適切に愛着信号を発信できる。
C(両価型):子どもは愛着信号を最大化して母の注意をひくが、母親は理解できない。
D(無秩序型):子どもは愛着信号を自分の生きる力にすることができない。虐待を受けている。





7割一致しているというのは、
Ds(母)→A(子), F(母)→B(子), E(母)→C(子), U(母)→D(子) 
7割ほどがこのような愛着パターンになるのが研究で分かっています。





そして問題はこのA~Dまでの愛着パターンを持った子どもが成人するとどういう愛着パターンを持つことになるか?です。





これらは方向性としては、全てF(安定自立)へ至るというのです。F(母)→B(子)→F(子が成人する)は常識として理解できるかと思います。その他、子どもがAであっても、Cであっても、Dであっても「方向性」としてはFに至るのです。DsやEやUにはならないというのです。ここで世代間連鎖は切れています。愛着パターンは連鎖しないのです。





ただ、A, C, Dの子どもは、そのままではFに至るのは難しいのです。安全な環境であれば、という条件が付きます。養育者は母親で、(Ds,) E, Uタイプですので、相変わらずベースの環境は変わらないのですが、周囲の大人たちやパートナーが安全な環境を作っていれば、それで子どもはFへ向かって成長できるとされています。ここに、愛着障害の人々の希望があるわけです。





Dsタイプがカッコ付きなのは、子どもはちょっと厳しい回避型になっているが成育上は問題なくFタイプへ行くことができるという意味で、EやUの母親をもったCやDタイプの子どもよりは格段に良い環境にいるという意味です。





(参考文献:児童虐待防止支援者のためのガイドブック改訂2版, 2017 高橋和巳)


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