ネガティブに生きると、いつか壊れて、再建します

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前回のビデオでは、前を向いてしか生きられない人は後ろを向いたとき死ぬと言いました。

これは文字通り命を絶つという可能性もあり得ますが、それよりももっと大きなことが起きているのです。大きなこと―それは、自分のこころが崩壊するということです。

自分の生きてきた、その世界が崩れ落ちるのです。これは本当に死ぬよりも衝撃的なことです。エンデのネバーエンディングストーリーのラストは、主人公が彷徨い迷い込んだ世界が「虚無」に征服されてしまいます。ファンタジーの世界が終焉を迎えるのです。

そのようなことが、後ろを向いた瞬間起こります。しかし、それによってこれまでの世界が終焉するのです。つまりファンタジーが壊れる。養育者と作り上げてきたという錯覚から覚醒するのです。しかし、それはこころの崩壊と引き換えに起きるのです。

ネバーエンディングストーリーの映画は、終焉を迎えた世界が新たに生まれ出てくる気配を残しながらエンドロールとなります。その終わり方は、読み手のこころに安心感を生みますが、実際もそのような復活のストーリーが用意されています。

壊れるけれど、それは再建します。ファンタジーはいったん壊れないと再建はできません。そのために後ろを振り向くことも必要なのです。ネガティブになってみる。前向きにしか生きられない人は、怖くてネガティブになれません。しかし、その橋を渡って、こころが崩壊すれば、その先には、別の世界が待っているのです。それは、幸せではないかもしれないけれど今よりも生きやすい世界です。

或る人のツイートです。
子どもの頃の悲しみや、元夫からの攻撃に怖くなっていたこと。ネガティブにとっちゃいけないと蓋をしてきたけれど、それは本当に怖かったんだと、やっと認めようと思いました。2つの暗黒の時代、親と暮らした子ども時代と元夫との結婚生活、そこへ戻って生きなくていいんだと思えるようになりました。

こうやって、この人のファンタジーは壊れて再建されていきます。

ずっと前向き(ポジティブ)に生きてきたのですから、そのクセは抜けません。再建後は、ネガティブになりつつも、がむしゃらに生きてしまうこともあるでしょう。でもそれはその人の生き方のクセだからいいのです。

こうやって見てくると、愛着障害の人の話を書きながら、「苦しさ」が「クセ」になればいいのだと分かります。これは愛着障害以外の人々にも共通した感覚でしょう。生き方は変える必要はない。それをクセとしてやっていけるようになれば変える必要はないのです。

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