【人生の過渡期】40代という中年期の危機をどう生きるか?

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レビンソンという心理学者の著書に、ライフサイクルの心理学という上下巻に分かれた大作があります。彼はユング派なんですね。ユングは40歳を人生の正午と捉えました。そのユングの考え方を拡充させたのがレビンソン。

ライフサイクルの心理学は、成人になった大人がどのように生きて、その人生を閉じていくかについて、対象にした数十名について、長期に渡ってインタビューをしたものを、研究としてまとめたものです。

そこで分かってきたのは、人生には過渡期があるということ。インタビューの記録から、成人の人生を大きく分けると、3期に分類できると見えてきた。

20-40歳, 40-60歳, 60歳以降、この3つ。

どうして変化するかというと、生活構造が変化するからだと言います。それに対応するために生活のスタイルを変えないといけないのです。

そして、20歳から5年、40歳から5年、60歳から5年、これがそれぞれの、生活構造を変えるために必要な時間、つまり人生の過渡期であると結論しました。

生活構造とは、個人の生活の基本的パターンのことを意味します。各個人が持っているパーソナリティと外的な環境との相互の力関係を表現したものです。身体の衰え、能力の衰え、人生観の変化、社会的な地位の変化や子どもの自立などにより、それまで適応的だった生活構造が変化を余儀なくされる。これが過渡期の危機です。

当たり前のようでいて、なかなか核心をついているように思います。私の人生を振り返ると、これはまさにそうだなーと思う。

特に中年期の過渡期というのは危ないですね。色んな意味で危機的になる時期です。過渡期も5年では済まないでしょう。10年くらい見越していいのでは?。つまり、40代の10年かけて、30代までの総決算をして、来(きた)る終焉に備える。

20代の第一過渡期は、アイデンティティの確立という大仕事をやっている時期です。では40代の第二過渡期は、何をやっているのでしょうか。

レビンソンの研究では、アイデンティティの再構成をやっていると書いてあります。確かにそうですね。青年期にいったんできあがったアイデンティティを壊すのは並大抵ではありません。だから、ものすごく危機的になるんですね。こころもギシギシ音をたてる。

でも、そうやって再構成することに意味があるのか、そして再構成なんて果たしてできるのか。この40代という時期はエリクソンの発達論によると、ケアという資質も身に付けていく時期です。そんな時期なのに、アイデンティティがグラグラでどうする!?という突っ込みもありますね。

この二律背反のような状況に立たされるため、40代は人生の中で、最も危機的な時期であり、過渡期も5年では済まないと思います。まさに激動の時期です。ある意味、思春期よりも大変かもと思います。

アイデンティティが再構成されると、より柔軟にタフネスになります。長いお別れのフィリップ・マーロウです。「人はタフでなければ生きられない。優しくなければ生きる資格がない。」

中年の過渡期―この話は長く長くなります。いつか書けるなら、「40代という10年」というタイトルで書いてみたいと思います。被験者は私自身です。(笑)

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