生きるために必要なこころの栄養★愛着とは?

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愛着とは、「養育者との間の普通の母子関係」を言います。養育者とは子どもの面倒をみる人のことで、これは男性でも女性でもかまいません。子どもが選ぶ一人の養育者ということです。

愛着理論を提唱したボウルビィは、1969年の論文で、子どもはたった一人の大人を養育者として選ぶと言っています。片親ならば、その親を、両親そろっていれば子どもと接する時間の長い方を養育者として選択します。別に、母でも父でも構わないわけです。

また母親でも父親でも、母性と父性は両方持ち合わせていますので、どちらとも子どもと母子関係を結ぶことができます。話が少し変になるかもしれませんが、父親が養育者だったら、子どもは父と母子関係を結ぶのです。コフートは母性のことを鏡自己対象と言っていますので、専門用語になりますが、そのほうが分かりやすいかもしれませんね。愛着とは、鏡自己対象となる養育者との間の普通の関係のことです。

養育者と母子関係については説明しましたので、残りが「普通の」という言葉です。ここが愛着の核心であり、普通とは何であるか、ということです。愛着理論では、情緒交流のある状態で、その交流を通して子どもが社会での生き方を学ぶ2年間のことを言います。子どもがむける非言語の訴えを、養育者が受け取って返すこと。この情緒交流で、子どもはこの世界が安心な世界なこと、生きるに値する世界であることを確信します。

この確信は、別名、基本的信頼感とか絶対的安心感とかと言います。エリクソンが提唱した心理発達の理論の2歳までに獲得する特性です。

情緒交流が絶たれていると子どもは生きるためのこころの栄養を得ることができずに、愛着障害になります。無機能家族で育った人々です。交流が切れてはいないけれど、愛情はかけてもらっているのですが、それがちょっとズレているような関係だと、不完全な愛着になります。機能不全家族ですね。こちらは愛着障害とは言いませんが、思春期を超えるときにたいへん苦労することになります。境界性パーソナリティ障害の一群の人々は、これらの人々です。

愛着がないと無機能家族、愛着がある場合は機能不全家族、そのように覚えておいてください。クイーンのフレディマーキュリーの育った家族は、機能不全家族のようにみえて、実は無機能家族だったということでしょうか。

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