【家族再生を見立てるのが心理職の役割】家族再統合のキーは愛着

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家族再統合という幻★千葉県野田市の虐待死事件から、に関しての続きです。虐待死というものを回避するためには、家族が再統合できるかどうか、家族再生できるかどうかを正しく見立てることが必要とお話ししました。

今回は、では具体的にはどうやって見立てるのか、簡単にお話ししたいと思います。

そのキーワードは「愛着」です。親と子の間に愛着システムが成立しているかどうかです。これが成立していれば、例え暴力などが横行していても、家族は再生する可能性が高い。しかし、成立していなければ、家族は再生しないでしょう。そのように見立てていきます。

親が愛着システムを持っているかどうかは、親の面接ができればいいのですが、それができなくても、見立てることは可能です。

まず親の言動を観察します。親が心理士へ話してくる会話の内容や日常の言葉使い、どういう行動をとっているかなど、主観的に、客観的に、情報を集めます。自分を責めているのか、躾と居直っているのかどうか。精神症状を見分ける視点ももたなければなりません。解離や対人場面で恐怖を感じているのかどうか。それらがまず評価するための材料となります。虐待の程度と継続性も重要な情報です。

次に面接ができれば、親の成育歴も聴いていきます。自分の親との関係もそこで露わになってくるでしょう。そこまで来て初めて、ようやくその家族への介入プランが立てられるのです。実際、愛着の判断は虐待が疑われるケースの面接を、何年も場数を踏んでようやくできるものですが、最低心理士の行う仕事は、これができなければいけません。

親が子どものころ虐待を受けていたから自分の子どもにも虐待をしている、つまり虐待の世代間連鎖ですが、そのようなステレオタイプの見方は慎まなければならないでしょう。まずは、親に集中して、親を見立てることです。親に愛着システムがあると判断できれば、親とその親との関係も自ずと分かってくるでしょう。家族という中で、どのような愛着がつながっていたのか、あるいは分断されていたのか。家系を見て、その愛着という流れが見えて初めて、この家族をどのように援助していけばいいのかが分かるのです。

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